ダートグレード競走特集


第67回 クイーン賞(Jpn III)

サラ系3歳以上牝馬 中央・地方交流 ダ1800m
賞金 1着21,000,000円 2着7,350,000円 3着4,200,000円 4着2,100,000円 5着1,050,000円

出走馬

JRA所属馬(出走:4頭)

No. 所属 馬名 性 齢 負担
重量
調教師 騎乗予定騎手 備考
選定 中央 ウェルドーン 牝3 54 角田晃一 武豊  
選定 中央 エリザベスタワー 牝3 54 高野友和 川田将雅  
選定 中央 プリティーチャンス 牝4 54 野中賢二 岩田望来  
選定 中央 リネンファッション 牝4 55 坂口智康 C.ルメール  

ウェルドーン (牝3)
ウェルドーン  未勝利脱出までに6戦を要し、1勝クラスでも足踏みしたが、2連勝で挑んだ関東オークスでは南関東牝馬2冠のケラススヴィアをねじ伏せて重賞初制覇。続くジャパンダートダービーでアタマ+アタマ差の3着、古馬初挑戦だった前走のレディスプレリュードでも3着に入り、ポテンシャルの高さを示している。砂をかぶらずスムーズに運べれば好勝負に持ち込める。

エリザベスタワー (牝3)
エリザベスタワー  芝のデビュー戦を飾り、3戦目のチューリップ賞では同着ながらも重賞初制覇。桜花賞13着、スイートピーS6着を経て、今回は約6か月ぶりの実戦になる。初ダートに加え、初ナイター、初コースなど克服すべき課題は多いが、500キロを超える馬体の外国産馬。川田将雅騎手を配してきただけに軽視できない存在だろう。

プリティーチャンス (牝4)
プリティーチャンス  芝のデビュー戦こそ15着に敗れたが、ダートに矛先を向けて素質が開花。全4勝をダート1800メートルでマークしており、重賞初挑戦だった前走のみやこSでは大外から追い上げて0秒5差の4着。脚質的にスパイラルカーブの船橋コース向きで、5戦4勝2着1回の岩田望来騎手とのコンビ復活も大きな魅力だ。牝馬限定戦なら初タイトル奪取も十分ある。

リネンファッション (牝4)
リネンファッション  芝のデビュー戦を飾り、5戦目から路線を変更。ダート1800メートルで3勝を積み重ね、ここ3戦は重賞に挑戦してスパーキングレディーC、ブリーダーズゴールドCで連続2着。前走のJBCレディスクラシックでは0秒7差の3着に粘り込んでいる。タイトル獲得まであと一歩のところまできており、早め早めの積極策で押し切りを狙う。


地方他地区所属馬(出走:4頭)

No. 所属 馬名 性齢 負担
重量
調教師 騎乗予定騎手 備考
選定 岩手 ゴールデンヒーラー 牝3 51 佐藤祐司 山本聡哉  
選定 笠松 ハナウタマジリ 牝3 51 伊藤勝好 深澤杏花  
選定 岩手 ファイントリック 牝3 51 佐藤祐司 七夕裕次郎  
選定 笠松 ナラ 牝5 51 伊藤勝好 松本剛志  

ゴールデンヒーラー (牝3)
 スピード、レースセンスを兼ね備えており、名手・山本聡哉がデビューから全て手綱を取る岩手の生え抜き。5つのタイトルを含めて通算【7、5、0、2】で掲示板を外したことがなく、盛岡のやまびこ賞、ひまわり賞勝ちで左回りダート1800メートルは経験済み。初遠征がJRA交流重賞で条件は厳しいが、どこまで通用するか試金石の一戦になる。

ハナウタマジリ (牝3)
 20年6月にホッカイドウ競馬でデビューして2勝、笠松を経て高知で2勝をマークして再び笠松に戻り、約1年半のキャリアですでに33戦。今年7月の高知を最後に勝ち鞍がなく、ここ4戦は自己条件で勝ち馬から2秒以上も離された大敗が続く状況。大きな変わり身は望めず、JRA交流重賞のペースでは前半から追走に苦労しそう。

ファイントリック (牝3)
 半兄にエンパイアペガサス(父エンパイアメーカー)がいる岩手の生え抜きで、デビュー勝ちした昨年7月から通算21戦3勝。410キロ台で小柄だが、キャリアを重ねるたびに着実に力をつけてきており、鮮やかに内をすくって突き抜けた前走のOROオータムティアラで待望の重賞初制覇。手の内に入れた七夕裕次郎騎手とのコンビで古馬トップクラスに挑む。

ナラ (牝5)
 18年5月にホッカイドウ競馬でデビューして2戦目に勝ち上がり、同年12月に笠松に移籍してから10勝を積み重ねてきた。積極的に他地区へ遠征しているが好結果を出せてなく、クイーン賞は過去2年ともにハンデ51キロで12、11着の大敗。今年は7戦未勝利で前走の浦和記念も6秒1差の9着に沈んだ。レース間隔が短く、ここも強調材料に乏しい。


南関東地区所属馬(出走:6頭)

No. 所属 馬名 性齢 負担
重量
調教師 騎乗予定騎手 備考
選定 船橋 ハピネスマインド 牝3 51 矢内博 小杉亮 TR2着馬
選定 大井 サルサディオーネ 牝7 56.5 堀千亜樹 矢野貴之  
選定 船橋 デジマノハナ 牝4 51 山下貴之 町田直希  
選定 船橋 ディアリッキー 牝3 51 新井清重 達城龍次  
選定 川崎 ダイアナブライト 牝5 53 内田勝義 笹川翼  
選定 大井 サルサレイア 牝5 51 堀千亜樹 西啓太  


ハピネスマインド (牝3)
ハピネスマインド  昨年10月のデビュー戦で2着。8戦目に勝ち上がり、続く特別戦を圧勝。4走前のB3特別で古馬を撃破し、2走前のクイーンズオーディション2着でクイーン賞の優先出走権を獲得。前走のロジータ記念でも0秒5差4着に食い込んでおり、経験を積みながら世代トップレベルの力を身につけた地元・船橋の生え抜き。JRA勢相手に胸を借りる。

サルサディオーネ (牝7)
サルサディオーネ  充実期に入り、スパーキングレディーC、スパーキングサマーC、日本テレビ盃で破竹の3連勝。前走のJBCレディスクラシックは苦手な長距離輸送に加えて、初コースに戸惑って本来のスピードを生かせず不完全燃焼の10着に終わったが、全11勝をマークしている左回りコースなら見直しが必要だろう。牝馬にとって過酷なトップハンデ56・5キロだが、マイペースに持ち込んで連覇を達成するか。

デジマノハナ (牝4)
デジマノハナ  19年10月にJRAでデビューして3戦目の芝の未勝利、1勝クラスを連勝したが、今年1月の2勝クラスの競走中止を最後に船橋へ移籍。使われながらダートに慣れてきて4、3走前にはB1・B2特別を連勝した。ただ、A2格付け後は3、5着で足踏みしているように重賞初挑戦がJRA交流ではやや荷が重い印象だ。強敵にもまれた経験を今後の糧にしたいところ。

ディアリッキー (牝3)
ディアリッキー  新馬、特別を連勝し、ローレル賞4着、東京2歳優駿牝馬3着。2歳時から素質の高さを示しており、今年は特別勝ち、東京プリンセス賞でも2着の好成績。ここ2戦の関東オークス8着、ロジータ記念7着は川崎2100メートルで条件が合わなかっただけ。相手は強化されるが、3戦3勝の地元・船橋コースに戻り、距離短縮、軽量51キロで上位進出を狙う。

ダイアナブライト (牝5)
ダイアナブライト  JRA芝で1勝、ダートで3勝。転入前のレディスプレリュードは上がり3ハロン36秒台の瞬発力勝負で分が悪かったが、牝馬トップクラス相手にしぶとく食い下がって4着に健闘しており、重賞初挑戦で初物尽くしを考えれば上々のレースぶり。船橋1800メートルは条件的に悪くなく、このメンバーならチャンスは十分にありそうだ。

サルサレイア (牝5)
サルサレイア  半姉サルサディオーネ(父ゴールドアリュール)と同じ大井の堀千亜樹厩舎への転厩初戦になる。JRAダート2勝、南関東転入後の準重賞の1勝はすべて1800メートルでマーク。牝馬重賞でもたびたび上位争いを演じ、盛岡に遠征した2走前のビューチフルドリーマーCは0秒7差4着に追い込んだ。前走のレディスプレリュード8着後に放牧に出されて心身ともにリフレッシュしており、昨年3着以上のシーンも。


クイーン賞とは?

 1955(昭和30)年創設の牝馬限定戦で、97年からダートグレード競走となった。03年までは10月に行われていたが、04年から12月開催 へ移動。負担重量は05年までの別定に変わり、06年からハンデ戦で行われている。
 過去10年の傾向を見てみよう。JBCレディスクラシック(以下JBC)出走馬の活躍が顕著だ。17年はJBC2、5、3着のプリンシアコメータ、アンジュデジール、ラインハート、14年はJBC2、4、5着のトロワボヌール、アクティビューティ、ブルーチッパーが1~3着を独占、16年はJBC5、7着のトロワボヌール、タイニーダンサー、18年はJBC8、12着のアイアンテーラー、サルサディオーネが1、2着するなどJBC出走馬が上位争いするケースが目に付く。昨年もJBC7、10着のサルサディオーネ、サルサレイアが1、3着だった。JBC最先着馬のクイーン賞での成績は[6211]。4着以下に敗れた19年のJBCは浦和1400mで、出走馬にスプリンターが多く、クイーン賞に臨んだのは4着ミッシングリンク(JBC5着)1頭だけだった。

 ロジータ記念結果  ロジータ記念映像

※レース情報をクリックすると、競走成績が開きます。



データで見る「クイーン賞」

【所属】JRA勢が優勢

 所属別に見ると過去10回でJRA(美浦)が4勝、JRA(栗東)が3勝。JRA勢が優勢の傾向にある。
 大井所属馬が2年連続で勝利しており、地方勢が連勝を伸ばせるのかにも注目したい。

所属 JRA
(栗東)
JRA
(美浦)
船橋 浦和 大井 川崎 他地区
1着回数 3 4 1 0 2 0 0

【年齢】4歳馬が若干優勢

 年齢別に見ると4歳馬が4勝しており僅かに優勢となっており、3歳馬と6歳馬はそれぞれ3勝を挙げている。一方で5歳馬と7歳馬以上は未勝利で、高齢馬は出走数が少ない傾向にあるので仕方がないが、5歳馬は出走数の多さの割には結果を出せていない。

馬齢 3歳 4歳 5歳 6歳 7歳 8歳 9歳 10歳以上
1着回数 3 4 0 3 0 0 0 0

【人気】1番人気が勝率・連対率・3着内率、全てで安定

 過去10回の傾向を見てみよう。「1番人気」馬の成績は[1着5回-2着3回-3着0回-着外2回]と勝率50%、連対率・3着内率は80%と安定した成績を残している。また「2番人気」馬の成績は[1着1回-2着1回-3着2回-着外6回]となっており、勝率10%、連対率20%と人気通りにはいかない傾向が見られるので注意しておきたい。

成績 勝率 連対率 3着内率
1番人気 5-3-0-2 50% 80% 80%
2番人気 1-1-2-6 10% 20% 40%
3番人気 1-2-1-6 10% 30% 40%
4番人気 2-2-1-5 20% 40% 50%
5番人気 0-1-2-7 0% 10% 30%
6番人気 1-0-1-8 10% 10% 20%
7番人気 0-1-1-8 0% 10% 20%
8番人気以下 0-0-2-57 0% 0% 3%

昨年のレース模様

マリーンC勝ち馬サルサディオーネ(前走JBCレディスクラシック7着)が先手を奪い快勝。単勝3.3倍に推されたアッシェンプッテル(前走太秦S 3着)が9番手から差を詰め2着、前走シンデレラマイル5着のサルサレイアが3着、前走ブリーダーズGC2着のメモリーコウは5着に敗れた。

第66回 クイーン賞(Jpn III)の模様


過去の優勝馬

第65回 クイーン賞(Jpn III)の模様
2019年12月11日
第65回 クレイジーアクセル [大井]
第64回 クイーン賞(Jpn III)の模様
2018年12月12日
第64回 アイアンテーラー [JRA]
第63回 クイーン賞(Jpn III)の模様
2017年12月6日
第63回 プリンシアコメータ [JRA]

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その他コンテンツ

第67回 クイーン賞(Jpn III)ポスター
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