船橋ケイバ重賞競走特集
第68回 クイーン賞(JpnIII)
サラブレッド系 3歳以上牝馬 中央・地方交流 ダ1,800m
賞金 1着25,000,000円 2着8,750,000円 3着5,000,000円 4着2,500,000円 5着1,250,000円
JRA所属馬(出走:4頭)
グランブリッジ (牝3)
今年1月の未勝利戦を勝ち上がる。ネモフィラ賞は3着に敗れたが、続く3歳1勝クラスを制し、地方初参戦だった関東オークスで重賞初挑戦V。ブリーダーズゴールドCで古馬を撃破し、前走のJBCレディスクラシックはスタートでつまずく不利がありながらもクビ差2着に迫った。コースは不問、ハンデ54キロは恵まれた印象。
ショウナンナデシコ (牝5)
JRAダートで5勝。年明けのTCK女王盃でクビ差2着に入り、続くエンプレス杯、マリーンC、かしわ記念、スパーキングレディーCと4連勝した上がり馬。秋2戦のレディスプレリュード、JBCレディスクラシックは1番人気で3着に敗れたが、ともに着差はわずか0秒2差。2戦2勝の得意コースで巻き返しを狙う。
テリオスベル (牝5)
JRA芝で6戦未勝利だったが、ダート路線に転向して5勝。地方交流に照準を合わせてマーキュリーC2着、ブリーダーズゴールドC3着、レディスプレリュード2着、前走のJBCレディスクラシックでも0秒4差6着に食い込んだ。向こう正面からポジションを上げていく戦法が確立し、展開が味方してくれればチャンスも。
ホウオウピースフル (牝5)
JRA芝で新馬戦、百日草特別を連勝。3歳時はフローラSで2着に入り、オークス、秋華賞まで駒を進めた。今年7月の巴賞で約2年8か月ぶりの勝利を飾り、2走前のクイーンSで0秒2差5着。前走の府中牝馬Sで12着に敗れ、ダートグレード競走に矛先を向けてきた。初ダート克服が鍵だが、JBC上位組との対戦は楽しみ。
南関東地方競馬所属馬(出走:7頭)
ロカマドール (牝6)
JRA11戦はすべて芝で、勝ち鞍は新馬戦のみ。20年4月を最後に川崎・山崎尋美厩舎へ移籍して5勝を積み重ね、重賞初挑戦だった21年の佐賀ヴィーナスCでタイトルを獲得した。前走のクイーンズオーディションを制して優先出走権を手に入れたが、まだA2の身でベストはマイルまで。胸を借りる立場になりそう。
コスモポポラリタ (牝3)
門別でデビューし、フローラルC、ブロッサムCを含む4勝。大井・宗形竹見厩舎へ移籍後4戦は結果が出なかったが、大一番の東京プリンセス賞でスピーディキックのクビ差2着。高知優駿、ロジータ記念でも3着に食い込んだ。古馬初対戦がダートグレード競走でハードルは高いが、末脚を生かせる船橋1800メートルは合う。
リネンファッション (牝5)
JRA芝で新馬勝ち。5戦目からダート路線に転向して3勝し、スパーキングレディーC、ブリーダーズゴールドC2着、JBCレディスクラシックで3着した実績馬。浦和・川村守男厩舎への移籍後6戦は勝ち鞍がないが、前走の生田オープンで0秒3差4着に逃げ粘っており、砂をかぶらずスムーズな競馬ができればおもしろい。
レディオスター (牝3)
門別でデビューし、リリーC2着を含む〈2300〉。船橋・矢野義幸厩舎への移籍2戦目から3連勝を飾り、東京プリンセス賞では0秒2差3着の接戦を演じた。秋初戦のサルビアCを快勝して挑んだ前走のロジータ記念は前半から流れに乗れず6着。古馬初対戦がダートグレード競走で条件は厳しく、2戦2勝の地元でどこまで頑張れるか。
サルサレイア (牝6)
JRAダート1800メートルで2勝。川崎・内田勝義厩舎へ移籍して準重賞・ネモフィラ賞を勝ち、大井・堀千亜樹厩舎へ。展開に左右されるタイプで勝ちきれない半面、末脚はしっかりしており、他地区の牝馬交流重賞でも上位争いに加わってきた。船橋コースは適性が高く、クイーン賞は過去3、5着で3年連続の出走になる。
ハピネスマインド (牝4)
デビュー8戦目の3歳条件戦を勝ち上がり、ロジータ記念で0秒5差4着に食い込んだ地元・船橋の生え抜き。今年に入ってから9戦して勝ち鞍がなく、B2特別の2着が1回だけ。ダートグレード競走はクイーン賞9着、マリーンC、スパーキングレディーC7着ですべて3秒以上の差をつけられており、ここも厳しいレースになりそう。
コーラルツッキー (牝5)
門別でデビューし、フルールC、エーデルワイス賞を制してNARグランプリ2019の2歳最優秀牝馬に選出された。川崎・山崎裕也厩舎に移籍後は21年のノースクイーンCで3つ目のタイトルを獲得したが、それ以降は3走前のビューチフルドリーマーC2着が最高。自己条件の前走でも掲示板を確保できていない現状では厳しいか。
地方他地区所属馬(出走:3頭)
ビックバレリーナ (牝5)
名古屋の生え抜き。東海クイーンCで重賞初制覇を飾り、ライデンリーダー記念、梅桜賞2着するなど2、3歳時は活躍したが、古馬になってからの7勝はすべて条件戦。約2年ぶりの重賞挑戦だった前走のお松の方賞は勝負どころからついて行けず11着に沈んでおり、ダートグレード競走のペースでは追走に苦しみそう。
クレールアドレ (牝3)
21年の浦和でデビュー勝ちし、今年3月の特別戦9着を最後に笠松・伊藤勝好厩舎へ。移籍初戦を勝利で飾ったが、その後19戦して2着3回、3着3回が精いっぱい。ダートグレード競走や地方交流重賞では全く歯が立たず、5走前の日本テレビ盃は5秒4差11着。今月も3走目になり、強調すべき材料が見当たらない。
ミスティネイル (牝6)
JRAで未勝利に終わるが、移籍を繰り返しながら金沢4勝、船橋8勝を積み重ね、岩手を経て笠松・伊藤勝好厩舎へ。好走は地元戦に限られており、ダートグレード競走の白山大賞典7着、マイルチャンピオンシップ南部杯15着では大敗を喫している。走り慣れた船橋コースでも苦戦は免れないだろう。
1955(昭和30)年創設の牝馬限定戦で、97年からダートグレード競走となった。03年までは10月に行われていたが、04年から12月開催へ移動。負担重量は05年までの別定に変わり、06年からハンデ戦で行われている。
過去10年の傾向を見てみよう。JBCレディスクラシック(以下JBC)出走の活躍が顕著だ。17年はJBC2、5、3着のプリンシアコメータ、アンジュデジール、ラインハート、14年はJBC2、4、5着のトロワボヌール、アクティビューティ、ブルーチッパーが1~3着を独占、16年はJBC5、7着のトロワボヌール、タイニーダンサー、18年はJBC8、12着のアイアンテーラー、サルサディオーネが1、2着だった。20年もJBC7、10着のサルサディオーネ、サルサレイアが1、3着するなどJBC出走馬が上位争いするケースが目に付く。JBC最先着馬のクイーン賞での成績は[6202]。JBC上位馬から目が離せない。

【所属】JRA(美浦)が優勢
所属別に見ると過去10回でJRA(美浦)が4勝、JRA(栗東)が3勝、大井が2勝、川崎が1勝とJRA(美浦)が優勢な傾向にある。
所属 | JRA (栗東) |
JRA (美浦) |
船橋 | 浦和 | 大井 | 川崎 | 他地区 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1着 回数 |
3 | 4 | 0 | 0 | 2 | 1 | 0 |
【年齢】4歳馬が優勢
年齢別に見ると4歳馬が4勝、6歳馬が3勝、3歳馬が2勝、5歳馬が1勝をしており、4歳馬優勢の傾向にある。
馬齢 | 3歳 | 4歳 | 5歳 | 6歳 | 7歳 | 8歳 | 9歳 | 10歳以上 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1着 回数 |
2 | 4 | 1 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 |
1番人気が勝率・連対率・3着内率、全てで安定
過去10回の傾向を見てみよう。「1番人気」馬の成績は[1着4回-2着4回-3着0回-着外2回]と勝率では劣るものの、連対率・3着内率は80%と安定した成績を残している。また「2番人気」馬の成績は[1着1回-2着1回-3着1回-着外7回]となっており、勝率10%、連対率20%と人気通りにはいかない傾向が見られるので注意しておきたい。
成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
---|---|---|---|---|
1番人気 | 4-4-0-2 | 40% | 80% | 80% |
2番人気 | 1-1-1-7 | 10% | 20% | 30% |
3番人気 | 1-2-2-5 | 10% | 30% | 50% |
4番人気 | 2-1-1-6 | 20% | 30% | 40% |
5番人気 | 0-1-2-7 | 0% | 10% | 30% |
6番人気 | 2-0-1-7 | 20% | 20% | 30% |
7番人気 | 0-1-1-8 | 0% | 10% | 20% |
8番人気以下 | 0-0-2-57 | 0% | 0% | 3% |
日本テレビ盃を含む交流重賞4勝のサルサディオーネ(単勝2.7倍)がハイペースで逃げたがゴール直前失速。JRAから川崎に移籍したレディスプレリュード4着馬ダイアナブライトが6番手からクビ差差し切った。みやこS4着馬プリティーチャンスが8番手から差を詰め3着を確保


第66回 サルサディオーネ[大井]

第65回 クレイジーアクセル[大井]

第64回 アイアンテーラー[JRA]
船橋競馬 第8回開催〔11月28日(月)~12月2日(金)〕イベント情報
クイーン賞の開催ポスターをダウンロードできます。